風化

震災11年。この年生まれた子も、もう今年で小学5年生か6年生。
今年中学3年になる人(震災当時3~4歳)も、もしかしたら覚えてないかもしれない。
もちろん、実体験した人はまだまだ大多数だし、残された映像も数多いので、事を知らない人でも、
そういう人から話を聞いたり、興味さえあれば自分からその被害の深さを知ることはできるが、
実体験をしてない人(特に子供)だと、歴史の教科書の出来事とほぼ変わらない印象しか持てない。
だから、大抵は「ふーん・・・」で終わってしまう。それすら思わなくなったら本当に怖い。

ただ、口で言い聞かせたり目で資料を見ても、やはり自分の家で、自分の物が壊れる様を見ないと、
本当の怖さは絶対に分からない。どこかに「まあ、自分はこうはならないだろう」という考えがある。
実際、阪神・淡路大震災のわずか20日前に起きた「三陸はるか沖地震」が報じられてるのを見ても、
地震とはほぼ無縁と言って良いほど地震が少なかった神戸は「まあ大丈夫か」と思ってた人が大半で、
まさか3週間弱で同じ規模の地震が自分の住んでる所の真下で起こるとは、予想すらできなかった。
だから、中越地震のときも安否情報でふざけた行動起こしたり、金巻き上げたりする奴もいたが、
それも「自分は大丈夫だし」と思ってるからこその事。自分の部屋にヒビが入らないと分からない。

まずは自分が体験しないと怖さが分からない。そこが大地震の怖い所。