2010年の奇跡

今年の野手助っ人の当たりっぷり(=マートンブラゼル)は、「神」だなぁと、改めて思う。
恐らく今後20年は来ないと思われる奇跡を、目の当たりにしているといわざるを得ない。

これだけ普通に上位クラスの成績を残してくれる助っ人が阪神にいるなんて。
しかも1人だけでも奇跡なのに、2人もいるという、ある意味バカげた話が現実に起こるなんて。

まずマートン。なんでこんなマジメな人が阪神みたいな日本一いい加減と言っても良い様な球団に来てくれたんだ。
ただ、過去の日本プロ野球の助っ人は、明るくちゃらんぽらんなタイプ(クロマティ、ホージー、アニマル、ウインタースなど)、物静かなタイプ(バース、デストラーデロバート・ローズアンディ・シーツなど)とか色々いるのだが、ここまで極端にクソまじめな助っ人は、日本プロ野球の歴史上でも過去に例を見ないのではないかと思う。もしかすると、どの日本人選手よりもマジメで勤勉かもしれない。

ただ、阪神の、特に野手におけるこれまでの助っ人に共通している“極端”という点に注目して考えると、マートンもある意味では阪神らしい助っ人』と言えるのかもしれない。極端なまでに打つ(バース)、極端なまでに打てない(ディアー、メンチ他多数)、極端なまでに滞在日数が短いグリーンウェル)の次は、“極端なまでにマジメ”マートンが出てきてもおかしくはない。という考え方も出来なくはない。ただこの人は単にマジメなだけではなく、成績も異常な好成績なのが、これまでの阪神助っ人の定説から考えれば、嬉しい誤算と言える。余談だが、自分と同世代(1981年生まれ)という点にもとても親近感がある。

次にブラゼル。昨年、シーズン途中で入団した阪神の助っ人では、過去最高水準と言える程の成績(打率.291、16本塁打、49打点)を残した。
西武時代(2008年)は低打率ながらも27本塁打を記録しているだけに、ある程度はやってくれて当たり前の助っ人ではあるのだが、それを差し引いても今年の打棒は凄い。昨年(2009年)よりも少ない試合数・打席数で、前年の成績をあっさり上回っている。

  • 2009年:82試合、285打数、打率.291、83安打、16本塁打、49打点
  • 2010年:66試合、247打数、打率.307、76安打、23本塁打、52打点(2010/06/27時点)

西武時代はよく知らないが、阪神以降の特徴は「ワダサンスタイル」の導入だろうか。追い込まれたり、追加点が欲しい場面では、無茶振りせずに進塁打を狙うという点が、単に振り回すだけの助っ人と大きく異なる点かもしれない。振り回す時は思い切り振り回す豪快さや、完璧に捉えた時の打棒の爽快感は、「気が付けば入っていた」印象が強かったアリアスとは違い、バースを彷彿とさせるものがある。

助っ人にこんな奇跡が起こっている阪神。日本人選手はどうなんだ。