で、ついにアドベンチャーワールドを後にして、再びJR白浜駅へ。
宿は白浜ではなく、ここから各駅停車の電車にのんびり30分揺られた先にある、周参見(すさみ)にある。
しかし、この白浜駅(JR紀勢本線)は、電車の本数がとんでもなく少ない(のかこれでも多い方なのか?)。
1時間に多くて2本しか電車が止まらない。1本でも乗り遅れれば、1時間近くも待たなければならなくなる。
このため、宿へ向かう際にちゃんと電車に乗る事が出来るか。という事が出発前の最大の気がかりだったのだが、大きな事故も乱れもなく、予定通りの電車に乗ることができた。
駅は4つしか離れていないが、時間にして30分程度掛かる、ちょっとのんびりとした各駅停車の電車。
周りはどんどん森と畑になってゆき、家も乱立せずにポツンポツンと建つ程度の土地柄になって行く。途中の駅で乗ってくる人は、時間的に部活帰りと思われる高校生が多く、そこそこ騒がしかったのだが、何故か普段感じるような嫌悪感は無かった。雰囲気に飲まれていたのか、単に疲れていたのか。
そして、JR周参見駅に到着。
小さな漁港の町で、お金に困らないような生活ができるなら、こんな町がいいなぁとつぶやきたくなるほど、こじんまりとした雰囲気。緑も多いし海も近い。と、のんびり駅を出ると、既に予約してた宿の送迎がいた。すぐさま飛び乗る。車はどんどん坂道を登ってゆき、着いた先はとてつもない絶景が映える高台だった。
宿泊したのは、すさみ温泉ホテルベルヴェデーレ。
予約した時、完全に公式サイトの雰囲気だけで決めてしまったので少々不安だったのだが、実際に着いてみるとその数倍も雰囲気が良く、宿泊客も多かったのだが、それを感じさせない開放感も素晴らしかった。このホテルは“当たり”だと思う。
で、着いてすぐさま、事前に予約していたバーベキューを食らう。
ちょうど夕焼けに暮れる海辺の景色を見ながらの食事。すさみの名物とされる猪豚(いのぶた)も美味しく頂いた。そして、ホテル備え付けの馬油シャンプーで体がツルツルになったりしている内に、夜明けを迎えた。
図らずも早起きしてしまったのだが、ベランダから見える景色があまりに美しいので、思わず撮ってしまった。
それから、寝たり起きたりを繰り返して、朝食を摂って、持参したWiiでしばらく遊んだ後、ホテルを後にする事に。
JR周参見駅までホテルの車で送迎してもらう中、バーベキューを食した広場と、周参見の港の雰囲気を何枚か収めた。ホテルの人曰く、周参見は人が多く集まる白浜と比べるとなかなかの“穴場”なのだとか。また、泊まったホテルにも固定ファンが多いらしく、中には部屋まで指定して宿泊するといったお得意様までいるらしい。確かにそうなる気持ちは分かるな・・・と納得した。
電車が着くまでの間、改めてJR周参見駅周辺を撮ってみた。
写真からも、非常にのどかな風景が見て取れる。9月中旬だというのに、未だにセミが鳴いていたが、そのセミの音もこの風景ならば全く嫌悪感がなく、よく合っていた。
そして、再び白浜に着き、「白浜エネルギーランド」へ向かう際に、白良浜に立ち寄った。
まず驚いたのが海の水の驚くべき透明度。また、海岸沿いにゴミが全くと言ってよいほど落ちていない。
今まで自分の頭の中に浮かぶ「海岸」という景色は、明石の大蔵海岸ぐらいしか無かったのだが、この白良浜でガラリと印象が変わった。この美しさは、それぐらい衝撃的だった。時期的には海水浴にはギリギリのシーズンだが、この日もまた超快晴で、水着姿のお姉さん・お兄さんもまだ割といた。水着さえあれば泳いでみたかったのだが・・・。
「白浜エネルギーランド」は、年齢層がやや低年齢向けだった為に最初は戸惑ったのだが、お互いに半ば開き直って童心に返ってみたら、意外と楽しめた。その後、「とれとれ市場南紀白浜」を軽く回り、JR白浜駅に舞い戻り、特急くろしおで大阪へ戻った。
旅行って、ちゃんとした宿と、ちゃんとしたスポットと、ちゃんとした連れがあれば、こんなに楽しいもんなんだな、という事が28年ほど生きてきてようやく体感できた。あと、とにかくデジカメは必須なんだな、という事を書き加えて、たかだか1泊2日の旅行を4日に渡って引き伸ばしてお送りした、「地元で一人暮らし2000日記念白浜旅行記」を終わる。