感激

「近くの祭りに、西城秀樹が来るらしいで~!?」

突然こんな話題を振り出した彼女さん。
んなバカな。イベントならともかく、地方の夏祭りに西城秀樹が来るわけ・・・。と思いつつも、夏祭り自体、小学生時代から約20年ほど行ってないので、良い機会かなぁと思いつつ、行く事にした。

程なくしてイベントが始まったが、出てきたのはものまね芸人「パワフル聖子」。
松田聖子のほかに、“松浦亜弥のマネをするはるな愛のマネ”という極めて微妙なネタを振りまく。
あぁ・・・やっぱりこういう事だったのか。そりゃそうだよなぁ・・・。と思っていたのだが。聖子が捌けた後、照明が暗くなり・・・。

「こんばんわ。・・・西城です。」
明らかに場の空気が一変した。何故こんな地方の夏祭りに!?(一応、一部上場企業が主催してはいるが)という疑念が、一瞬で吹っ飛んだ。「情熱の嵐」「傷だらけのローラ」「ブーメランストリート」などを熱唱。個人的に70~80年代の歌謡曲は良く聞いている方なので、力強い歌声を聴いて余計に『完全に本物じゃねぇかこれ!』感が伝わってきた。

1時間という限られた空気はあっという間に過ぎ去り、「今日最後の曲です」と前置きし、「ブルースカイブルー」を歌ったあと、そそくさと舞台を後にする秀樹。場内はアンコールの嵐。自分もそんなしんみりした曲で終わるわけがないだろうなと思っていたら、3分もしない内にまた舞台に戻ってきたが、第一声で「すいません、もう終わったんです」。会場大ウケ。

そして秀樹が、「やっぱりあれで締めないとダメですかっ!?」と言うと、会場が大盛り上がり。やはりみんな分かっていた。最後は全員で「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」で場内一体となり、終了。その後もアンコールの声が止まず、秀樹が「あと20曲ぐらい歌っちゃってもいいかな!?」と言うと、またも会場がヒートアップ。すると間髪入れず「では一人15,000円ずつ頂きましょうか」と関西でしか笑いとして通用しないようなボケをかまして、最後まで場を盛り上げてくれた。本当にこんなのをタダで観させてもらっていいのかと思えるほどの充実ぶりだった。

調べてみると、この夏祭りは過去に、山本リンダ森口博子野口五郎など、地方の夏祭りには似つかわしくない芸能人が毎年出る祭りのようだ。実家の近くでもこういった祭りはあったが、こんな芸能人を呼ぶようなイベントなど皆無で、普通に盆踊り踊って終わるようなレベルのものだったので、より衝撃的な体験だった。

これで、個人的に目にした著名人はキダ・タロー田中康夫に続いて3人目。
しかも去年までの27年間でそんな経験が全く無かったのに、この2年間で一気に3人に。やっぱり、外に出なきゃ出来ない事ってあるもんなんだな。