私は貝になってる

しかし、戦争のない、深い海の底にへばりつくような貝ではない。
伸ばせばすぐに手の届く、浅瀬の砂に必死に隠れている貝だ。それでも、今この時間だけは、貝になることができる。

明日になれば、時間という波に押されるがまま、海を出なければならない。それを覚悟しながらも、この貝になっている現実を、今は大いに楽しもうではないか。