籠城

コロナウイルスで賑わうこの時期に、実に20年ぶりにインフルエンザに罹患した。

前回罹患時(2000年1月)はまだ実家住みで、大学受験直前だった。最悪のタイミングで掛かってしまったので「あ、大学もうダメだわ」と思ったのをよく覚えている。

それ以降から今まで特別気を付けて来た訳ではなく、外から家に入ったら手を洗うくらいしかしていなかった。それでもなぜか風邪はひいてもインフルだけは奇跡的に避け続けてこれたのだが、最近の仕事の多忙から来る疲れを突かれた。

子供の頃は毎年の様にインフルエンザに掛かっていたが、その度に点滴をし、薬をいくつも飲み・・・が3~4日ほど続いていた記憶があるのだが、今は目薬みたいな容器に入った粉薬(2種類の粉が入っていて順序を守って交互に吸い込む)を病院内で出され、その場でそれを飲むだけで治療は終わり、あとは対処療法で高熱でしんどければその都度処方された薬を飲むくらいだった。あまりにあっさりしていてビックリした。

あとは日にち薬で寝てればよいのだが、これまでと違うのは子供の存在。まだ1度もインフルには掛かったことがないが、まだ2歳なので移して良い事があるわけがない。当然ながらそのサポートをする嫁さんも同様である。そのため「家庭内籠城」に踏み切ることにした。

自室には自分用の小型冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター(冷蔵庫以外は大学入学時からある20年物。結婚後もつい2年前までメインで使っていたが、未だに壊れず動くのでつまみ作成時に用いる)があり、飲み食いにはさほど不自由しないので、ティファールだけ部屋に持ち込み、水と食料を買い込み、あとはひたすら熱が下がるまで自室に籠った。子供と嫁さんが保育園と仕事に出ても、家に帰ってきてリビングから楽しそうに遊ぶ声が聞こえていても、ひたすら自室で横。子供のはしゃぐ声を聞くとどうしても顔を見たくなってしまう衝動に駆られたが、とにかく我慢した。

2日間39度台の熱が続いたが、3日目に37度台、5日目にようやく平熱。本来なら5日目まで待つべきなのだろうが、3日目の時点でもう辛抱できずマスク姿のまま子供と遊んでしまった。が、幸いにも2人に移すことなく乗り切る事に成功した。

子供が掛かってしまった時はどうするか、今から考えておかねばならない。