軽減なんやら

デフォルト選手データ集は、当然ながら毎回新作が出る度、アップデート配信がある度に膨大な量のデータを入力しなければならない。

収録選手もPS1時代は1作品400人程度だったので発売日当日の掲載が可能だったのだが、PS2時代で600~700人、現在では1000人近い(パワプロ2018・Ver1.09ではOB含め991名)。とてもではないが発売当日、配信当日の掲載は不可能である。(最後に発売日当日のデータ掲載を行ったのはパワプロ2013決定版)

編集方法も試行錯誤し、何度も変えた。振り返ってみる。

【Word時代】(2000年)

当時持っていた「Word98」を用いての編集作業。当時はHTMLの知識が無く、サイトの編集は全て「Word98」で行っていた。が、あまり賢くなく、ファイルを開きなおす度にレイアウトが変わってしまうという有様だったため、否が応でもHTMLの勉強をするはめになってしまった。結局この体制で作成したのは、コンテンツ開始当初に扱ったパワプロ2000開幕版と決定版の2作品のみだった。

テキストエディタ時代】(2001年~2005年)

HTMLの知識もそれなりに付いたため、テキストエディタでの編集となった。当時愛用していたのはEmEditorだった(現在はサクラエディタ一辺倒)。編集方法としては、データの値部分をエディタの1桁目から入力できるように調整した選手データのHTMLテンプレートを作り、それをひたすらコピペして作成していた。特殊能力はIMEに専用の辞書を作り、読み仮名の先頭1文字を入れるだけで変換できるようにしていた。A~Gの区分は手入力だった。

Excel時代】(2005年~2008年)

IT関連の仕事に転職したことで専門的な知識に触れる機会が増え、システマチックな体制を作ってみる事に。当時はまだフリーのWindowsアプリの開発環境がある事を知らなかったため、お金を掛けずにシステマチックなやり方を、という方針で当時の頭で考えたのが、ExcelCSVファイルを作り、サイトにあるMySQLにインポートし、同じくサイトに設置したPHPでHTMLを出力し、それをアップロードする。という回りくどい方法だった。出力方法はいびつだったが、編集作業はExcelベースになった事で一気に分かりやすく、軽快になった。A~Gの区分の判断をPHPに組み込んだため、入力の必要が無くなった。

Windowsアプリ時代】(2008年~)

フリーのWindowsアプリ開発環境(Visual Studio Express)とデータベース(SQL Server Express)の存在を知った事で、環境は一気に激変。専用のアプリを作り、HTMLファイルも自動で出力。作品情報、特殊能力、変化球名や利き腕などの定型文字などを全てマスタにまとめ、変換候補から選択できるようにし、専用のGUIで入力ができるようになったため編集作業も出力作業も一気に楽になった。

アプリでの作業となってから2年後、プラットフォームをPS3に移したパワプロ2010からは選手データの収録人数の大幅な増加やアップデート配信が始まったため、結果的にこのアプリ化は安定した編集作業を行う上で大きな礎になった。

当初は選手名などを毎回1から手入力していたが、選手人数が増えて入力ミスも増えてきたためパワプロ2014からテコ入れを行い、予め選択しておいた球団と、入力した背番号を元に前作品(アップデートの場合は前版)の同じ球団・背番号を持つ選手情報(選手名、利き腕、フォーム、成績)を引っ張ってくるようにした(引っ張って来れない場合や、トレードで球団と選手名が別の選手になっている場合は1から手入力)。背番号や所属球団が変わるのは大抵の場合シーズンオフだけだし、大半の選手は翌年も球団と背番号は同じものを引き継ぐので、シーズン途中のトレード選手やシーズン途中に入団する助っ人以外はこれでほぼ事足り、特にアップデート版の編集時には大幅に入力作業が軽減され、選手名などの入力ミスも大幅に減った。

そして、今回のパワプロ2018・Ver1.09からはさらに新しい入力サポート機能を導入。それまで読み仮名を打って変換していた特殊能力の入力を止め、ある方法を用いて殆ど変換せずに特殊能力を入力できるようにした。これにより、さらなる作業負担の軽減と特殊能力の入力ミスがほぼ無くなった。

順当に進化してはいるのだが、加齢するとともに、都度都度作業負担の軽減に勤しんでいるこの感じ。複雑である。