会える内に

2月の結婚式にも出席してくれて、元気そうに見えた嫁さんの祖母が今月4日に亡くなった。
結婚式に出てわずか2ヵ月後の4月中旬に脳内出血を起こして倒れ、その時点で既に「持って数日」の状態だったのだが、一時的に体調を持ち直し、最終的には4ヶ月も耐え抜いた。

嫁さんは小さい頃から手芸など様々な事を教えてもらっていたらしく、かなり思い入れの強いおばあちゃんで、さらに結婚式後は一度も会っていなかったため、今回の事態には、4ヶ月間というインターバルはあったとはいえ、相当ショックだった様子。自分としては結婚式時点で初対面だったが、キャンドルサービスの時に軽く二言三言交わしたのが最初で最後で、右から左へ通り抜ける様な、ごくごく短い関係となってしまったのが、嫁さんの手前非常に辛かった。

訃報を聞いてから、正直相当バタバタした。
自分自身、図らずもこういった弔事に触れる事自体18年ぶり(1994年に母方の祖父が亡くなって以来)で、当時はまだ中学に上がったばかりだったため親が全て用意してくれたが、自前では全く用意が出来てない状態だった。そのため、礼服一式と袱紗を慌てて揃える事になった。とはいえ、今後の冠婚葬祭に備え、礼服はちゃんとしたやつ(慶事、弔事どちらでもいけるもの)を買った。

ただ、いざ現場となると、どんな感じで居れば良いのか全く分からず、居場所がはっきりしないままだった。
立場としては親族ではあるのだが、周りは嫁さん側の親族ばかり。結婚してからまだ半年しか経っていないせいか、結婚式で会って以来、嫁さんの家族と4月にお見舞いに行った時に会った数人の親類以外一度も会えていない状態だったし、結婚式に出ていない親類も多く居たため(親族総勢で50人以上いる)、誰が誰なのか殆ど分からなかった。逆に言えば、結婚式での印象がまだ残っている状態でこの日を迎えたため、顔を覚えてくれている人もかなり多くいたため、顔を目にすればすぐに反応してくれて、気を遣ってくれる人も多かったのはまだ救いだったが、他の親族に比べれば遥かに浅い関係であり、「他人に限りなく近い親族」という立ち位置は最後まで拭えなかった(または、自らそういう風に思い込んでしまった)様に思う。こういった日を迎えるまでに、もっと親族と交流できる時間があれば良かったのだが。

1年の内に自分の身内だけで結婚式と葬式をやる事になるとは、さすがに予想もしてなかった。
「実家を離れてから親に会える日数」なんて事がたまに言われたりするが、親しい親族ならば会える内にたくさん会っておいて損はない。特に親を「うっとうしい」と思えるのは幸せな証拠だと思う。