おっさんたちの訓練

「フリスビーやりたいなぁ・・・」

1ヶ月ほど前から友人がしきりにメールで送ってくる言葉。
確かにフリスビーなんて小学校以来20年近くまともにやってないので、たまにやるのも面白いのかもしれない。という訳で、実行する事に。

場所はとある川の河川敷。
人もまばらで、気にすることなくできる場所がうまい具合に見つかった。いざやってみると、自分の以外の友人2人は、まともに真っ直ぐ投げられず、ナナメに行ったり自分の方へ戻ってきてしまったりという有様。なぜか自分だけは割と真っ直ぐな弾道(?)で飛ばす事が出来た。あまり力を入れずに軽く投げるようにしているせいか、真っ直ぐ飛ぶ代わりに滞空時間がやたら長く、受け取る側も取りやすいようだ。

そんな事を自分含む30歳手前のおっさん予備軍3人で5分間。10分間。
すぐにバテ始め、天気も良いせいか汗だく。それでも続けていると、河川敷で家族連れのバーベキューをしていた人の子供3人(4~5歳ぐらいの男女)がトコトコ歩いてきた。

フリスビーというものを見た事が無いのか、異様なまでに興味深々。おっさんたちが取れないような所に飛び、転がっていくのを見ると一目散に走ってフリスビーを拾いに行こうとする子供3人。最初は拾ったフリスビーを持ってきてくれるだけだったが、次第に自分たちでも投げたくなったのか、短い距離ながらこちらに向かって投げて来るようになった。

しばらく遊んでると、子供の母親らしき人の「もう帰って来なさーい!!」という声が聞こえたので、「もう、お母さんの所に行きな?」と子供に促すと、ゴネる事なく素直に母親の元へ戻って行った。とてもいい子だった。

その後、自分たちも疲れ果てて河川敷を後にしようとすると、車に乗り込もうとしていたさっきの子供たちから「バイバーイ!!」という声。そしてその親からは、「(遊び相手になってもらって)どうもすみません(^^; ありがとうございました」という声。正直親から何か文句言われるんじゃないかと身構えていた所があったのだが、マトモな人だったせいか杞憂に終わった。

「何か声を掛けられたりしたらすぐ通報」という情報が目立つご時勢の中、今でも大半の確率でこんな自然に和気藹々とした大人と子供の交流が成立するものなのかもしれないなぁと、少し安心した。そして、自分たちの世代は既にそうやってよその子供の面倒を自然に観てやるような年代でもある事も痛感させられた。子供と同じテンションで遊んでるバヤイではないのだ。